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国交省、第2回パレット標準化分科会開催

2022.01.25

国土交通省は18日、パレットの標準化を検討する「パレット標準化推進分科会」の第2回会合を開催した。標準規格のパレットによる効率的な輸配送と保管を行う「一貫パレチゼーション」の実現に向け、サイズ・仕様など規格(ハード面)と、現場での運用(ソフト面)の2方面で標準化方策を推進することを決めた。

また、2024年4月からトラックドライバーの時間外労働について罰則付き上限規制が適用されるのを見据え、手荷役からパレット荷役への転換を加速する。具体的にはパレットの標準規格を2~3種類に絞り込み、パレットを利用していない荷主や物流事業者に向け、標準規格パレットの導入を積極的に働きかける方針。

「11型」や「12型」にこだわらず標準規格を検討

標準規格の候補は分科会で今後検討する。JISユニットロードシステム通則(JISZ0650:2020)に一貫パレチゼーション用として定められた「11型(タテヨコサイズ・1100×1100㎜)」や「12型(1100×1200㎜)」の2種類や、酒類・飲料業界で広く使用されている「ビール9型プラスチックパレット(略称:Pパレ、900×1100㎜)」などを想定する意見もあるが、それに限定せず、荷主と物流事業者双方の多様な観点から検討を進める。

標準規格パレットが決定した後は、荷主と物流事業者に向けて標準規格パレットを推奨していく。一方、関係者からは「標準化によって物流効率化や省力化を実現するという目標では一致していても、荷主と物流事業者では何が最適なのかに対する考えは異なっている。24年4月までに標準規格を2~3種類に絞り込むことは相当困難ではないか」と懸念する声も聞こえる。

分科会では標準化推進の方策検討を進めるため、荷主のパレット利用実態を把握する調査を2月から行うこととした。夏ごろに分科会の上部団体である「官民物流標準化懇談会」の会合で調査結果の中間報告を行う。その後、10月ごろに優良事例などを追加した最終報告書をまとめる。

パレット利用のメリットと責務を提示

会議ではパレット利用のメリットや物流関係者として行うべき責務を提示することが標準化促進につながるとの考えが示された。

荷主のメリットでは、物流の人手不足にもかかわらず安定的な商品の供給・納品ができることや、荷姿の標準化、検品レスにつなげることで納品・荷受け時間を短縮できるとする。物流事業者のメリットは、荷役作業の削減・軽減や荷待ち時間の削減をはじめ、パレットを活用した共同物流の実現による積載効率の向上や省力化・省人化が期待できるとした。

荷主の責務としてはパレットが発着荷主の取り決めにより運用されることが前提であることを踏まえ、荷主を中心にすべての物流関係者が持続可能な物流実現のため、ドライバー不足など課題の解決に取り組むことが必要だとした。物流事業者の責務は、荷主に対して荷役など附帯作業に見合った対価を具体的に提示することが必要だと指摘。荷主に物流現場の現状を踏まえた効率的なパレット運用について情報提供や提案を行うことを提言した。
(2022年1月25日号)


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