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ワクチン供給へ超低温冷凍庫配備=厚労省

2021.01.21

厚生労働省は15日、新型コロナウイルスワクチンの接種および供給体制を明らかにした。国の指示の下、都道府県の協力により市町村で予防接種を実施する。物流に関しては、ワクチン保管用にファイザー社製でマイナス75℃のディープフリーザー(冷凍庫)を、武田/モデルナ社製ではマイナス20℃のディープフリーザーを確保し、各自治体の人口を基にできるだけ公平に割り当てる。ワクチンの保冷ボックス用のドライアイスは国で一括調達し、医療機関に供給する予定だ。

冷凍庫2種類、それぞれ1万台確保

新型コロナウイルスワクチンについては、今年前半までに全国民分の数量の確保を図るため、企業との交渉・研究開発支援を実施。これまでに合計2億9000万回分の供給について合意している。

ワクチンに関してはメーカーから医療機関へ届けるための流通体制について、メーカーや卸業者と協議中。針・シリンジは、国で保管倉庫を借り上げ、卸業者に委託して医療機関に届ける。

医療機関でワクチンを適切に保管できるように、マイナス75℃のディープフリーザー、マイナス20℃のディープフリーザーをそれぞれ1万台確保。国が確保した冷凍庫は各自治体の人口を基に可能な限り公平になるように割り当てる。

医療機関等では、ディープフリーザーでの保管の他に、マイナス75℃程度の超低温での保管を行うために、保冷ボックスとドライアイスを用いて保管。その際に必要となるドライアイスを国が一括で調達し、医療機関等に供給することを検討している。

ディープフリーザーは6月末までに累計で約1万台を設置予定で、住民への接種開始後、設置完了までの当面の対応として医療機関等でドライアイスによる保管を行い、設置完了後は、夏期になることを踏まえ、ドライアイスによる保管は行わない予定。

ワクチンの接種・流通では、国や自治体がワクチンの配分量を決定。事前に地域ごとにワクチンの流通を担当する卸業者を設定する。関係者間でワクチン配分などの情報伝達を行うためのシステムの構築等により、円滑な流通体制の構築や大規模な接種体制を実現する。

メーカーは地域担当卸業者に地域に割り当てられた量を、卸業者は医療機関ごとに割り当てられた量を納品。医療機関への割り当て決定前に卸までの物流を実行できるようにする。ファイザー社のワクチンは超低温での納品が必要となるため、メーカーが医療機関に直接配送する。

なお、ファイザー社のワクチンの保管温度は、マイナス75℃プラスマイナス15℃、医療機関では、ドライアイスまたは超低温冷凍庫で保管し、医療機関でのドライアイス保管は10日程度が限度。武田/モデルナ社はマイナス20℃プラスマイナス5℃で医療機関では冷凍庫の保管が必要。アストラゼネカ社の保管温度は2~8℃となっている。
(2021年1月21日号)


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