コロナ影響で輸送数量「減少」が7割=大ト協/景況感
大阪府トラック協会(辻卓史会長)が23日に発表した7~9月期の景況感調査によると、前年同期と比べて輸送数量が「減少」した割合は前期(4~6月期)に続き7割を超え、景況感が悪化しているとの回答も8割超にのぼった。新型コロナウイルス感染症によるトラック輸送の需給の緩みを反映し、「運賃・料金」の水準は「変わらない」が7割を占め、「低下」の割合が「上昇」を上回る。仕事量の減少を受け、ドライバーの過不足状況は「適当」との回答が5割超となった。
運賃・料金、「低下」が「上昇」上回る
前年同期比で実働率、実車率はそれぞれ「低下」が70・5%、65・6%だった。輸送数量(一般貨物)は「増加」が3・3%、「減少」が72・1%と、荷動きが回復していないことがうかがえる。売上高は「増加」が6・5%、「減少」が68・8%、利益は「増加」が9・8%、「減少」が75・4%と業績にも厳しさが表れた。ただ、前期比で見ると、売上、利益のいずれも「大幅に減少」している企業の割合は減少している。
運賃・料金の水準については、17年7~9月期以降、「上昇」が「低下」を大きく上回って推移していたが、19年7~9月期から「低下」の割合が増え始め、新型コロナの影響による輸送需要低迷で需給が大幅に緩んだ4~6月期は「低下」(24・6%)が「上昇」(13・1%)を上回った。7~9月期もこの傾向は変わらず、「低下」が18・1%であるのに対し、「上昇」は9・8%だった。
ドライバーの過不足状況は、「不足」が36・1%、「適当」が54・1%、「過剰」が8・2%だった。ただ、先行きについては「不足」が47・5%、「過剰」が11・5%と企業によって過不足感には差があるようだ。7~9月期の所定外労働時間(休日労働含む)、貨物の再委託は「変わらない」も4割程度あったが、「減少」している割合はそれぞれ55・7%、44・3%だった。
業界の景況感は、「悪化」が81・9%。取扱い品目によっては今以上に荷物量の落ち込みなどを懸念する声も出ている一方、一部企業からは9月になり荷動きが少し上昇してきたとの報告もある。4月に告示された標準的な運賃については、「仕事量の減少と荷主自体が不安定で、運賃交渉ができないのに加え、売上げの低迷で運転手が余ってくるなど問題解決が進んでいない」との意見が見られた。
(2020年10月29日号)