ダイキン工業が「量販店専用センター」を首都圏に拡大へ
ダイキン工業(本社・大阪市北区、十河政則社長)は、「運ばない物流」と販売チャネル別の物流フロー改革をめざし、物流拠点の再編を進める。大阪、名古屋、九州に続き、2020年度には「量販店専用センター」を首都圏に拡大する計画。複数の拠点を集約した大阪の「在阪集約拠点」の機能をハード・ソフトの両面から進化させる。また、配送サービス向上とトラックの回転率アップを図るため、顧客に近い立地での“最寄拠点”の設置も検討していく。
同社では近年、量販店の物流センターにダイキンの製品を在庫する「量販店専用センター」の設置を進めている。「量販店専用センター」にあらかじめ製品を移送・在庫しておくことによって、倉庫内での移動で販売が完了するため、一次輸送の削減やピーク時の出荷の平準化が図られるほか、他社との共同物流の可能性も広がる。
「量販店専用センター」は関西からスタートし、これまでに名古屋、九州にも水平展開。九州地区では主要家電量販店向けの「量販店専用センター」を開設したことで、九州の自社配送センターの在庫削減や車両手配の負荷軽減を実現した。今後は、来年度を目標に首都圏への拡大を目指すほか、卸店との取り組みも視野に入れる。
17年12月に開設した大阪の「在阪集約拠点」の機能も強化する。在阪の複数拠点に分散していた配送機能を集約し、運営物流会社への委託業務範囲を拡大したもの。横持ちや積み下ろし箇所の削減等の集約効果に加え、運営物流会社との共同物流も進められているが、荷揃え場や接車スペース、フロント対応といった機能充実にも力を入れる。
また、公立小中学校への空調の導入が急拡大していることを受け、期間集中・時間指定・特殊車両・土日搬入といった制約条件に対応するためのスポット的な“ミニ”拠点を地区ごとに適宜設置。ドライバー不足で車両の確保が困難になる中、配送サービスのレベルを上げるため、輸送距離短縮と回転率向上に寄与する“最寄拠点”の設置も検討する。
(2019年10月24日号)