国交省がスワップ車ガイドライン、3月策定へ
国土交通省は4日、「第2回スワップボディコンテナ車両利活用促進に向けた検討会」(議長=国交省総合政策局・山田輝希物流政策課長)の第2回会合を開催した。スワップボディコンテナ車両の利用促進のためのガイドライン素案を来年2月上旬までに取りまとめ、3月末までに策定することを決定。ガイドラインは、トラック運送会社、車両メーカー、架装メーカー、荷主等に向けて周知啓発を行うもの。
第2回会合には構成員以外にも多数の関係者がオブザーバーとして出席。荷主からは花王、ブリヂストン、味の素。運送関係では日本通運、西濃運輸、名鉄運輸、福山通運、ヤマト運輸、淡路共正陸運、JR貨物、近海郵船が参加した。自動車架装関係からは日通商事、浜名ワークス、山田車体工業、新明和工業、極東開発工業、その他、日本自動車リース協会連合会、三井住友海上火災保険、環境省などからも担当者が出席した。
今回の議論では、同車両の標準的仕様が適用される対象について検討を行い、ガイドラインに盛り込むこととした。同仕様は車両製造時の参考となるもので、法律などに依拠する権利義務や罰則を示すものではないことを確認した。標準的仕様の対象となるのは「コンテナフロア寸法」「緊締装置」「支持脚」をはじめとする装備部分や、車体能力に関して道路法車両制限令の一般制限値の範囲内で、エアサスを備えた4軸車両であることなど必要な規格を明示する。同仕様が想定する輸送形態は当面はトラックに限定したもので、鉄道コンテナ・RORO船輸送やコンテナ2段積みに対応する標準仕様については将来的な検討対象とする。
その他、会合では検討会メンバーから運用状況や車両の仕様などについて説明があり、情報共有を図った。同車両を活用しているホームロジスティクス(本社・東京都北区、五十嵐明生社長)の担当者は、導入メリットとして荷台コンテナを準備しておけば出荷と同時に積み込み作業を行えるため、庫内作業を円滑化できることを挙げた。
一方、デメリットとしてトラックと荷台コンテナの脱着作業を行うにはバースから25m以上の空間が必要となるとともに、積み込み作業担当者へのスキル教育が別途必要になることを挙げた。同社の運送業務で実運送を担当する富士運輸(本社・奈良県奈良市、松岡弘晃社長)の担当者は乗務員教育の具体的内容などを説明した。
佐川急便(本社・京都市南区、荒木秀夫社長)の担当者は同車両を活用することでドライバーの荷役作業の負担がなくなるため、大型免許を持つ女性ドライバー活用範囲が拡大できることなどを指摘した。
同車両のシャーシ・コンテナを製造する架装メーカーの日本トレクス(本社・愛知県豊川市、中島光彦社長)の担当者は、欧州でのスワップボディコンテナ車両の活用事例や車両規格などを紹介。欧州での近年の年間登録台数はトラック部分のキャリアが5000~6000台、フルトレーラ部分が2000~3000台、コンテナ部分が1万6000~1万8000台で推移していると報告した。
(2018年12月11日号)