【トラック輸送・物流】トランコムが物流情報サービス事業を強化
トランコム(本社・名古屋市東区、恒川穣社長)は、求貨求車のマッチングを行う「物流情報サービス事業」を強化する。荷動きが回復して車両不足感が加速していることを受け、専属車両の増車を進めるほか、来年2月に神戸情報センターを開設するなど新規出店を再開する。10月31日の決算説明会で恒川社長は「当社の物流情報サービス事業は、業界の中でも優位性がある。未進出エリアに出店することで、まだまだマーケットを掘り起こすことが可能だ」と語った。
上期は荷動き動向が上向いたこともあり、貨物情報と空車情報が近似値で推移。これにより、期中のマッチング成約件数は前年同期の61万件から7・7%増の65万件に増えた。また、旺盛な需要を受け、専属車両を3月末時点の1162台から9月末時点で1242台まで80台増車したほか、マッチング業務を担当するアジャスターも630人体制に強化した。このほか、運賃単価についても1Qで1・4%、2Qで2・3%上昇した。
下期以降も引き続き車両不足感が続く傾向のため、専属車両の増強を継続させ、期末までに1300台体制に引き上げる。また、来年2月に神戸情報センターを新規開設し、情報センターの拠点数を28ヵ所まで増やす。恒川社長は「ここ数年、新規出店を抑えていたが、分析ツールの導入によりベテランと新人との生産性の差がなくなってきたことで、新規出店できる体制が整ってきた」と述べ、今後は未開拓エリアへの出店を強化していく考えを示した。
また、チャーター部門に続く新たな事業領域として需要開拓を強化している「中ロット部門」については、「これまでは中ロット部門単独で動いていたが、チャーター部門との情報共有や連携を図ることで埋もれた情報を掘り起こすことができる」(同)と述べ、連携して需要開拓していく考え。上期の中ロット部門の収入は約14億円だったが、通期では30億円まで増やすとともに、通期の成約件数も前期比51%増の8万件まで引き上げる。
2Q業績は増収増益、通期予想を上方修正
同社の18年3月期2Q業績は、売上高が前期比7・4%増の694億1100万円、営業利益が2・4%増の25億2000万円、経常利益が5・2%増の24億9400万円、純利益が28・9%減の15億円となり、増収増益だった。物流情報サービス事業の好調が業績に大きく寄与した。
通期予想は上期の業績を反映して売上高、利益とも上方修正した。売上高1440億円(前期比8・0%増)、営業利益62億7000万円(10・4%増)、経常利益62億円(11・8%増)、当期純利益39億5000万円(6・5%増)を見込む。
(2017年11月9日号)