年内にパレット循環スキーム作成=国交省/物流連ほか
国土交通省は7月28日、荷主、物流事業者、行政が連携し、物流分野の標準化を検討する官民物流標準化懇談会(座長=根本敏則・敬愛大学教授)の第2回会合をオンライン方式で開催し、最重要課題として取り組んでいるパレットの標準化について情報共有を行った。
冒頭、挨拶に立った日本物流団体連合会(物流連)の池田潤一郎会長は「サプライチェーンの安定的な維持に加え、SDGsやカーボンニュートラルなど社会的要請に応えるためには物流の効率化とDX推進が不可欠」と指摘し、前提となるのが物流標準化であり、最優先で取り組むべきはパレットの標準化だと強調。その上で「物流業界が考えるパレットの循環利用スキームの素案を作成し、運用や課題を整理した上で12月をメドにとりまとめ、(懇談会の傘下に設置された)パレット標準化推進分科会に報告する」と述べた。パレット標準化推進分科会は、物流連の作成したモデル案を基に標準的な規格・運用のあり方を検討していく。
また、パレット分科会が定めた標準サイズ11型(1100×1100㎜)を利用した一貫パレチゼーションの実証事業を行うことを確認した。実施時期と参加事業者は未定だが、年度内に実施する方向。
このほかにも農林水産省が青果物流通の標準化ガイドライン骨子におけるパレット標準化方針や、国交省が策定した紙加工品(衛生用品分野)アクションプランが提示したパレット利用方策を紹介した。また、経済産業省が主導するフィジカルインターネット実現ロードマップが提示する標準化のあり方について情報共有を図った。
なお、今回の会議では物流連の池田会長のほか、農水省の武部新副大臣、経産省の石井正弘副大臣、日本ロジスティクスシステム協会(JILS)の大橋徹二会長も、それぞれ物流標準化の重要性を訴える挨拶を行った。
(2022年8月4日号)