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日本通運が先端技術開発で新事業促進

2017.07.25

日本通運(本社・東京都港区、齋藤充社長)は19日、本社で会見を開き、今年5月1日付の組織改正の目的や現況などについて説明した。
新設した「ロジスティクス・エンジニアリング戦略室」(LE戦略室)は物流分野の先端技術を研究・開発する組織として管理本部の中に設置。先端技術の実用化を主導することで業界での競争優位に立ち、物流全体の効率化を図る。「ダイバーシティ推進室」は労働力不足の状況を見すえ、女性をはじめとした多様な人材活用を図っていく。

また、旧自動車企画部を「ネットワーク商品企画部」と改称、旧小口貨物営業部を「自動車部」と改称し、新設したネットワーク商品事業本部の下に置くことで、陸海空各モードの連携による魅力的な商品作りを加速していく。会見には、秋田進取締役常務執行役員、植松満執行役員、堀切智執行役員が出席した。

LE戦略室は現在、(1)自動運転技術を活用したトラック隊列走行(2)先端技術による物流センターの無人化・省力化(3)人工知能(AI)活用の物流ソリューション(4)ドローンの多目的活用(5)トラックマッチング(求荷求車)のシステム化――など5テーマの研究・開発を推進している。

同室を所管する秋田常務は「LE戦略室の役割は、物流分野での新技術の発展を取り入れて業務を革新し、商品をブラシュアップしていくこと。それにより顧客ニーズを先んじて把握するとともに社会全体への貢献も果たしていく」と表明。

自動運転による隊列走行は2020年の新東名での実証実験、22年の高速道路での商業化を目指し、国土交通省・経済産業省の実証実験に事業者として参加し、運用面でのルール作りにも参画している。

物流センターの無人化・省力化の取り組みは、従来個別の顧客に特化していたものを普遍化し、現在の自動化技術を活用した物流センター構築を図るもの。
秋田常務は「自動運転技術による隊列走行と物流センター無人化・省力化は、直面する労働力不足の課題に対応した取り組みとして強力に進めていく」と説明した。

AI活用の物流ソリューションでは、荷動き・人・車両のビッグデータを利用し、物流現場の省力化を進めていく。ドローンの多目的利用については、倉庫内や高所、コンテナヤードなどで人間が行っていたチェック作業などの自動化を目的に調査研究を行う。トラックマッチングのシステム化については、同社が運送事業者の中核となり、マッチングシステムを活用することで広範囲で迅速な輸送サービスを提供していく取り組み。将来は隊列走行技術とも連携し、広域でのマッチング事業の展開を目指す。

同室は秋田常務を含め現在5人体制。今後は研究・開発による成果を社内にフィードバックすることで新商品開発のさらなる活性化を促進するとともに、マテハンメーカーやベンチャー企業との新技術研究・開発分野での業務提携を含めた積極的な取り組みを図る考え。

ダイバーシティ推進室は、管理本部総務・労働部の下に新設した。同社では多様な人材活用により競争力を強化し、グローバルロジスティクス企業としての発展を図るとともに、労働力不足への対応として、特に女性活躍の促進に取り組むため同室を設置。女性が能力を発揮しやすい仕組みを構築するとともに、職場での女性活躍の実例収集と周知普及を実施することで、より一層女性が働きやすい環境づくりを推進する。

陸海空連携でネットワーク商品の開発を促進

植松執行役員が担当するネットワーク商品企画部は、従来の自動車企画部に、国内航空と内航海運の機能を付加することで、高度なサプライチェーンに対応したネットワーク商品の企画・開発・販売促進を図る。また自動車部は、小口貨物と一般自動車運送業務の商品企画開発から営業・品質管理と、アロー便などの自動車関連業務全般を担当し、製販の一体化を図る。植松執行役員は「(陸海空の)組織統合のメリットをより一層活用することで商品の開発・営業促進を強化していく」と意図を述べた。

営業ブロック再編で営業機能向上、CSR部を独立

経営企画部を担当する堀切執行役員は、新設された「関東甲信越ブロック」「中国・四国ブロック」について説明。関東ブロックと北関東・信越ブロックの統合による関東甲信越ブロックの新設により、管理機能の合理化や営業機能の向上を図るとした。中国・四国ブロックについては「中国、四国の両ブロックで売上高や人員規模がほぼ九州ブロックと同等となり、管理面での効率がよくなる」と述べた。

その他、警備輸送事業部、美術品事業部、重機建設事業部の3部のグローバル営業戦略本部からの独立、ならびにCSRの社会的意義の高まりを踏まえ、より一層独立性を高めるため、管理本部所管のCSR部を同部単独の組織としたことを説明した。

(2017年7月25日号)


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