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「残る3社のうちJR貨物が完全民営化にいちばん近い」=国交省鉄道局長会見

2017.05.25

国土交通省の奥田哲也鉄道局長は23日、専門紙記者団と会見し、前年度に鉄道事業の黒字化を達成したJR貨物について「完全民営化を達成していない残る3社のうち、JR貨物が安定的な経営基盤の確立にいちばん近い位置にあると考えている」と述べ、引き続き経営自立に向け経営努力を続けて欲しいと要請した。また、今年4月に国鉄分割民営化から30周年を迎えたことについて、地域による格差などはあるものの「国鉄改革は所期の目的を果たしつつある」との認識を示した。奥田局長の発言要旨は次の通り。

〈国鉄分割民営化から30年を迎えて〉 国鉄の分割民営化から今年4月で30年を迎えた。全体としてサービス信頼性や快適性が格段に向上し、経営面でも本州3社に続き、昨年JR九州も完全民営化されるなど、改革所期の目的を果たしつつある。残る北海道、四国、貨物の3社については、まだ上場が可能になる安定的な利益を計上できる段階に至っておらず、特にJR北海道は厳しい現状にある。今後も国鉄改革の趣旨を踏まえつつ、各種支援などを通じて完全民営化に向けた取り組みを進めていきたい。

〈JR貨物の株式上場に向けた期待〉 JR貨物は2012年2月の経営自立計画、14年3月に策定した中期経営計画において、16年度に単体で鉄道事業を黒字化するとともに、18年度に多少の経済変動があっても持続的に利益を確保できる水準の利益を達成する目標を掲げた。その結果、昨年度は、熊本地震や北海道での台風災害による減収があったものの、ドライバー不足による鉄道への転換、JR貨物自身の営業努力を通じた増収や経費削減の結果、単体で5億円の黒字化を達成することができた。引き続き安定的な利益水準の確保という経営自立に向けて経営努力を重ねていって欲しい。JR各社については過去の累次の閣議決定において、経営基盤の確立などの条件が整い次第、できる限り早期に完全民営化することが基本方針。JR貨物は現段階においてただちに上場できるような安定的な利益を計上できる段階には至っていないが、経営自立計画や今年3月に策定した新中期経営計画において、18年度に経常利益100億円以上の達成を目指していると承知している。株式上場については、同社の今後の経営推移や経営目標の達成状況を見た上で、対応を検討していくが、残る3社のうちJR貨物が安定的な経営基盤の確立にいちばん近い位置にはあると考えている。

〈青函共用走行区間における新幹線高速走行について〉 青函共用走行区間における新幹線の高速走行については当初、交通政策審議会の青函共用走行区間技術検討WGが13年3月にまとめた方針で18年春にも安全性確保を前提に1日1往復の高速走行の実現を目指すとされていたが、検討の結果、実現は3年程度遅れる見通しとなった。これを受けて、4月に交政審に新たに青函共用走行区間等高速化検討WGを設置して検討を開始した。現在、関係者からヒアリングなどを行っているが、6~7月に第2回、9~10月頃に第3回の高速化検討WGを開催して具体的な走行方式の選定を行いたい。いずれにしても、青函共用走行については、新幹線の高速走行と鉄道貨物輸送という2つの機能に十分に配慮しながら検討を進めていきたい。

(2017年5月25日号)


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