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六本木通信 5 「遠心力と求心力」

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六本木通信 5「遠心力と求心力」 

物理の世界では「遠心力」と「求心力」は対立する概念でありながら、相互に補完し合う関係だと教えられる。例えば、独楽は外部に向かう力(=遠心力)と内部に向かう力(=求心力)が釣り合うことで美しい回転を維持することができる。クルマはカーブを曲がるとき、遠心力と求心力の均衡が崩れてしまうとコースアウトしてしまう。
 この原理は組織の在り様にも当てはまる・・・。公益法人改革に伴う業界団体の新法人への移行を見ながら、ふとそんなことを考えた。

この4月、物流業界の社団法人の多くが新法人に衣替えした。大半の業界団体が「一般社団法人」への移行を選択し、今回に限れば全日本トラック協会のみが「公益社団法人」となった。公益社団の法人格を取得するには、公益目的事業比率が50%以上に達しなくてはならず、ハードルはより高い。業界団体は詰まるところ、その業界に属する事業者の利益最大化に奉仕すること(求心力)が使命であり、その点でいけば一般社団への移行が自然だ。その中で、より開かれた活動、つまり遠心力を強化していこうとする全ト協の志は高く評価されるべきだろう。逆に言えば、しっかりとした求心力を維持していなければできない決断だともいえる。

 そこで、物流連(日本物流団体連合会)だ。この団体については読者諸兄もご存知だろうが、1991年に陸海空の大手物流事業者・団体が一堂に会して誕生、昨年創立20周年を迎えた。全ト協や日倉協といったモードごとの縦割り団体ではなく、「物流」という横串機能を象徴する団体としてその存在意義は高いものがある。


 創立以来、物流業の社会的地位向上や認知度アップに向けた様々な活動を展開してきた。有名大学での寄附講座開設など高い評価を受けている事業も少なくない。しかし、ややもすると活動の比重が?遠心力?に偏り過ぎていたきらいもあった。税制や補助金など会員の懐に直接影響する活動がないため、会員からすると活動内容が高尚すぎて今ひとつピンとこない面もあったのかも知れない。


 その物流連、この4月の一般社団法人への移行を機に、「役に立つ物流連」を標榜して今年度から会員の利益につながる新規事業を展開していく計画だ。これまでの遠心力に加え、一般社団法人にふさわしい求心力をつけていくための活動を強化していくということだろう。
 物理の原理で言うならば、求心力が高まれば高まった分だけ、より強い遠心力が生まれることになる。二つの力が効果的に補完し合うことで、よりよい活動が展開されることを願ってやまない。     
(西村旦)
              

 

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