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六本木通信 3「郵政考」

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六本木通信 3「郵政考」 

米物流大手のUPSがTNTを買収することで合意した。海外報道筋が伝えるところによると、買収額は約5700億円。TNT救済のニュアンスもあるようだが、欧州のエクスプレス市場で高いシェアを持つTNTを傘下に収めることにより、UPSの欧州におけるプレゼンスは首位DHLに比肩するレベルまで上がる。世界戦略として理に適っている。


 DHL、UPS、Fedex、TNTの4社は巷間「4大インテグレーター」と呼ばれてきた。巨視的に見て、近年の世界の物流マーケットはこの4社を中心に回ってきたと言っても過言ではないだろう。ことに改めて注目すべきはこのうち2社が郵便事業体を経営母体としている(いた)こと。

DHLご存知の通りドイツポス傘下であり、TNTも96年にオランダ郵政公社に買収され、TPG(TNTポストグループ)を形成してきた。もっとも、オランダ国内で郵便事業を行っていたTNTポストは昨年「ポストNL」として再出発し、郵便事業とエクスプレス事業がデマージャー(分離)されたわけだが、欧州の郵政民営化が物流市場に与えたインパクトはいまもって生々しい。

 
 翻って日本の郵政である。07年10月の民営化前後に民営化前後に囁かれていた脅威論は今や昔話。一昨年夏のゆうパック大混乱では民間宅配事業者の草刈り場になってしまった。「巨象」は限りなく「虚像」になりつつある。
 先日、総務省から認可された郵便事業会社の事業計画にも厳しい数字が並ぶ。民営化による新規事業分野の筆頭に挙げられていた国際物流の目標売上高はわずか70億円(そういえば、民営化前にTNTとの提携話が破談になったこともあった)。ロジスティクス事業は今期120億円を計画するが、何のことはない郵便局会社やゆうちょ銀行、かんぽ生命から委託されるグループ内物流業務が大半である。


 郵便取扱数の減少には他人事ながら背筋が寒くなる。今期の国内郵便の計画値は対前年見込比で3・7%減の182億通。いつの間にか200億通を割り込んでいたことにも驚いたが、3・7%といえば年間6億通強が減っている計算になる。


 他方、「ゆうパック」は1・5%増の3億9000万個を計画しているが、これには疑問符がつく。たしかに11年度の取扱個数はペリカン便との統合効果があったおかげで2ケタのプラスとなった。だが、統合効果が一巡した昨年夏以降の月別実績は前年割れ基調が続いているはずである。今期、増送要因はあるのだろうか。
 長年の懸案だった郵政改革法案が成立することはいいことだ。だが、郵便事業会社と郵便局会社を統合することで、現在の苦境がどれだけ改善されるのか。過剰な期待は禁物である。  (西村旦)
  

 

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