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六本木通信 1 「ここがロドスだ」 

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六本木通信 1 「ここがロドスだ」

 


  4月になり、今年も多くの新卒社員が物流業界の一員となった。希望が叶った者、そうでない者と個々が抱える事情は様々だろうが、人生の新たな門出である。まずは率直に「おめでとう」と言いたい。
 物流の世界に身を置くひとりとして身びいきがまったくないとは言わないが、「物流」はそう悪くない選択だ、と思う。テクノロジーの進展や生産の海外シフトなどによって、ひとつの「業」が消滅することもある厳しい時代である。だが、物流はその点においてまったく心配ない。もちろん多少の浮き沈みはあるだろうが、経済や暮らしを下支えする社会インフラとして、物流という機能がなくなることは半永久的にない。むしろ、情報通信の高速化が進み、利便性が高まるにつれ、「モノを運ぶ」というリアルな行為はその重みや存在感を増していくだろう。

 「ここがロドスだ、ここで跳べ」という言葉がある。イソップ寓話の中のエピソードらしいが、マルクスの『資本論』に引用されたことでも巷間に知られる。
 あるホラ吹き男が「俺はロドス島でとんでもない大跳躍をした。この場で見せられないのが残念だ」と言ったのに対し、そこにいた一人の男が「ここがロドスだ、ここで跳べ!」と迫ったという話。色々な解釈が可能だと思うが、要するに「あの場でできて、この場でできないという話はない。言い訳をするな」ということに尽きるのではないか。

 筆者自身が働いていて思うことだが、人間は自身の不甲斐なさや手応えのなさをつい外部環境のせいにしてしまいがちだ。「この職場では俺の本当のポテンシャルは発揮できない。もっと他に自分にふさわしい仕事や職場があるはずだ」と。だが、それは往々にして自分の弱さのすり替えであることが多い。自己を過剰に慰撫し、「できないための言い訳」ばかりを探す回路を内部に育ててしまうと、人は際限がなくなる。結果、腰の定まらない人生を送ってしまうことにもなりかねない。「ここがロドスだ」と思い切ることも時には大事なことなのだ。

 職場の諸先輩は「3年はがむしゃらにやってみなさい」と言うだろう。「そうすれば何かが見えてくるから」と。筆者もそう思う。仕事の楽しさや本当のやり甲斐は、最低でも3年は続けないと見えてこない。もちろん、つらさ、切なさも含めて。そして、5年、10年とキャリアを重ねるごとに見える風景が確実に変わっていくはずである。裏を返せば、諸先輩は心の中で「1年やそこらで俺たちの仕事の本質が分かられてたまるか」と思っているはずである。    (西村旦)

          

 

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