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パルシステム連合会が八王子センターに新マテハン導入

2017.07.11

1都11県の13生協が加盟するパルシステム生活協同組合連合会(石田敦史理事長)は、常温品を扱う八王子センター(東京都八王子市)にダイフク製の「シャトルラックM」を導入し、低頻度品のピッキングシステムとして10月上旬から本格稼働させる。これにより庫内作業の省人化と効率化を実現し、現在3セットセンター(八王子、稲城、杉戸)で扱う常温低頻度品の仕分け業務を八王子センターへ集約するとともに、稲城センターについては常温高頻度品も杉戸センターへ移管して9月をメドに閉鎖する。

今回導入したのは、シャトルラックMをパルシステムの低頻度商品の特性に合わせてシステム構築した「シャトルラックシステム」。八王子センターで扱う常温品のうち日用雑貨や離乳食といった低頻度品1400SKUを対象に仕分け業務を行う。導入への投資額は約5億3000万円。処理能力は一時間あたり2500オーダー、3125点で1日当たりの出荷アイテム数は2~3万点と見られる。

常温低頻度品は従来、デジタルピッキングシステム(DPS)を用いて、ソーターで運ばれる集品箱へ作業者がフローラックから商品を探してセットする仕組みとしていた。しかし、高い習熟度が求められる上、一度作業が中断されると後工程への影響が大きく、SKU増への対応力も乏しかったことなどから新システムの構築を決めた。

シャトルラックシステムには当日および翌日の仕分け作業で集品される商品をSKU毎に格納する。入庫時にはバーコードシステムで商品とケース情報を紐付けし、ラインに流すだけで作業が完了。自動倉庫内は集品頻度の高い順に自動収納されるため、作業者による棚入れや払い出し作業が不要となり入庫業務の大幅な省人化が可能となった。ピッキングは、シャトルラックシステムから出庫されたケースに入ったアイテムを必要数だけ集品箱に詰め替えるだけの定点作業となり、業務効率が飛躍的に向上する上、セットミスの削減にもつながる。

同システムの導入によりDPSに比べて人時生産性が150%上昇した上、入庫作業に限定すれば260%の向上が実現。仕分け作業に必要な従業員数も従来は1時間あたり16人から9人へ約40%省人化できた。シャトルラックシステムは今年2月の設置後、段階的に取扱数を拡大。10月上旬には稲城センターの常温低頻度品が移行される見込み。自動倉庫は行単位の保管が一般的だが、今回SKU単位で保管して補充作業に活用することで入庫作業の時間短縮とラックスペースを圧縮させたことが特徴だ。

パルシステムでは産地およびメーカーから集品する「セットセンター」を産直青果で3拠点、冷蔵品で3拠点、冷凍品で1拠点、ドライ品で3拠点稼働。セットセンターで仕分けされた商品は11都県61ヵ所の配送センターへ移送され、4温度帯管理で毎週80万世帯の組合員宅へ届けられる。八王子センターは2008年に開設され、ニュータウン内に位置する立地条件もあって当時は人手を用いるDPSが採用されたが「約10年が経って状況が変わり、人手のかからない仕組みを作ることが重要になった」(石田理事長)という。

(2017年7月11日号)


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