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【EC物流】丸和運輸機関が食品スーパー向け3PLとEC業務拡大

2017.05.11

丸和運輸機関(本社・埼玉県吉川市、和佐見勝社長)は今期、食品スーパーマーケット(SM)向け3PL事業およびEC業界向けの当日配達サービスをさらに拡大させ、売上高720億円(前期比7・2%増)、営業利益49億5000万円(12・5%増)、経常利益50億円(8・4%増)、純利益32億1000万円(4・2%増)の増収増益をめざす。同社では、2020年の目標として売上高1000億円を掲げるが、8日に開かれた決算会見で和佐見社長は「1000億円の売上規模がないと業界内の競争力が持てず、人材の確保にも必要」として達成への意欲を改めて示した。

SM向け3PL事業では、「AZ‐COM7PL(アズコム セブン・パフォーマンス・ロジスティクス/7つの経営支援機能を付加した3PL)」戦略に基づく物流改革提案を継続的に推進。

荷主企業に対して物流利益のみならず商流利益も創出する高付加価値サービスなどを提供することで顧客の業容拡大に貢献する。SM向け3PL提案ではアプローチから物流センターの稼働までに3年ほど掛かることもあって「来期および再来期には複数の新規物流センター開設が予定されているが、2件ほど今期中にオープン出来そうなセンターもあり、前倒しが実現すれば今期業績の2ケタ増収増益も可能となる」と説明した。

EC業界向け事業ではネットスーパーなどの当日配送業務の受託を拡大させる。昨年11月に一般社団法人化された「AZ‐COM丸和・支援ネットワーク」の会員輸配送パートナー企業との連携を強化し、安定した輸配送機能の提供と物流品質の向上を強みとした物流基盤の構築に努める。BtoC宅配業界では再配達問題や荷主企業への運賃交渉なども注目されているが、和佐見社長は「再配達はドライバーのやりがいを奪うものであり、発生しないよう荷主企業との協議を徹底している」とする一方、運賃交渉については「人件費の高騰には理解を得ているが、(運賃の値上げを)認めてもらうのは難しい」と述べた。「AZ‐COM丸和・支援ネットワーク」は現在約600社が加盟。20年の目標に据える3000社体制については、「手が届きそうな(増加推移の)傾きにある」と自信を示した。

これらに合わせ、高齢化および労働人口減少の進行を見据えた新卒者の採用も強化。今期の採用者数は、内定辞退者などがあったため計画の250人には未達の195人となったが、和佐見社長自身による学校訪問なども奏功しており、次期は目標の達成を図る。また、同社ラグビー部が社会人1部リーグへ昇格し、グループ会社の関西丸和ロジスティクスもラグビー部を新設することを報告。今期もラグビー部の選手43名を獲得でき、「いい卒業生を採用できている」と報告。「コストを掛けてでも新卒者250人の採用を続け、人材の問題でお客様に迷惑を掛けることはないようにしていく」とした。

(2017年5月11日号)


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