カーゴニュース 1969年創業物流情報の専門誌
お問合せ トップページ
カーゴニュース定期購読のご案内
カーゴニュース 書籍のご案内 映像事業 リンク集

pickup2

容積拡大した新型12ftクールコンテナ開発=丸和通運

バックナンバー   コラム   インタビュー
 
*


容積拡大した新型12ftクールコンテナ開発=丸和通運

 ●16立方mタイプの新型クールコンテナを開発

 丸和運輸機関グループの丸和通運(本社・東京都荒川区、和佐見勝社長)は2017年内をメドに、新型のエンジン付き12ftクールコンテナを開発する。現在、同社が展開するエンジン付きの「12ftクールコンテナ」は内容積が約12立方mだが、新型タイプでは冷凍機をより小型化させるとともに取り付け方法を見直すことで、内容積を約16立方mまで拡大。軽量で嵩(かさ)がある花きや加工冷凍食品商品などの定温輸送を、より効率的に行えるようにする。さらに、将来的には既存タイプと新型タイプを合わせてクールコンテナの保有数を拡大し、鉄道による定温輸送ニーズの増加に応えたい考えだ。

 新たに開発する12ftクールコンテナは、容積以外の基本的な性能は既存の「12ftクールコンテナ」と同様。幅広い温度管理を最大の特徴として、管理温度帯は25℃〜マイナス25℃に対応する。冷蔵はもちろん冷凍、さらには加温運転も可能で、真冬に氷点下となる地域の輸送でも商品の凍結を防止。さらに、GPS管理で現在地とコンテナ内の温度状況を24時間、リアルタイムで確認できる。

 青函トンネルでは通過時にコンプレッサーの動力源となるディーゼルエンジンを切る必要があるが、丸和通運のクールコンテナであれば遠隔操作で通過時間のみ停止して、通過後に再度エンジンを始動することが可能。コンテナ外壁には断熱材を使用しており、電源停止時も庫内温度をほぼ一定に保つことができる。

 これらの仕様は、31ftコンテナや20ftコンテナでは見られるが、汎用型の12ftコンテナでは同社のコンテナのみという。「12ftコンテナは積卸駅の制限がないため使い勝手がよく、取扱量は年々伸びている」と丸和通運の赤津輝男常務は話す。既存タイプのクールコンテナは現在51基を保有するが、新型タイプ投入後も両コンテナを併用し、商品の重量や嵩などに応じて最適な仕様を使い分けていく方針。その上で、長期的には、電池式コンテナの開発なども視野に入れていく。

 定温コンテナの運用でポイントとなるのが、回転率だ。丸和通運ではコンテナのみのリースは行わず、自社運用にこだわりながら12ftクールコンテナの利用を提案。関東での営業こそ同社が中心となるが、地方からの帰り荷などは営業ネットワークの垣根を越えて、幅広い取引先にコンテナをレンタルしている。

 利用が伸びる一方で、現在の保有基数ではニーズに応えきれなくなりつつあるのが現状。そうした中でも、コンテナの回転率を上げることで、16年度は前期比2〜3割程輸送量を拡大した。「自社の輸送とレンタルを組み合わせ、行き先で荷物を積み込み、その先の予定までつけることで、従来では考えられない回転率を実現している」と丸和通運営業部の木村匡志係長も話す。

 ●丸和運輸機関グループと連携して食品物流事業を拡大

 丸和通運は1883年に鉄道貨物の艀運送業を開始し、1950年に前身の昭和通運が株式会社を設立、94年に丸和運輸機関グループの傘下に入った。現在は隅田川、東京タ、越谷、新座、千葉タ、宇都宮、川崎、玉前、京葉久保田の9駅で通運免許を持ち、全通系のネットワークを通じて全国への鉄道輸送サービスを展開している。

 同社では、食品物流事業の拡大を重点戦略に掲げる丸和運輸機関グループの方針に則り、定温管理品を含めた食品分野の鉄道モーダルシフトに注力する。鉄道貨物業界では08年から09年に掛けて主要コンテナメーカーがクールコンテナの製造から撤退したが、その際にも一部コンテナを買い取ってサービスを継続。同メーカーがメンテナンス期間を終了することを受け、トラック用の冷凍機を応用した独自のエンジン式クールコンテナの開発に着手した。

 クールコンテナの運用を背景に、直近では紙パルプや家電といった主要貨物に加え、定温管理で輸送するチルド飲料や乳製品、食肉、チョコ、冷凍食品、常温・定温管理の工業薬品、化成品などの取扱いが拡大。「食の安全、安心への要求が高まる中、昔は温度管理が不要だった商品でも、今は定温での輸送を指定されるものもある。食品は物量の波動も少なく、引き続き、当社の主力ドメインと位置付けていく」と赤津氏は説明する。

 ●営業ターゲットを絞り込むとともに、コンテナ別収支管理を徹底して収益を向上

 17年度は新型クールコンテナの開発に加え、新規営業ではターゲットセグメントを食品などの定温輸送市場に絞り込んでアプローチするとともに、既存顧客との取引深耕を図る。合わせて、丸和運輸機関グループが進める「AZ-COM丸和・支援ネットワーク」にも参画し、丸和通運の協力会社への加盟を呼びかけるとともに、同社としても加盟会社への輸送委託を進める。

 利益面では、丸和運輸機関グループが採用する「日次決算」に加え、丸和通運が15年度から取り入れた荷主・コンテナ別の収支管理を継続。コンテナごとの収益構造を厳しくチェックするもので、待機時間の長時間化などの利益圧迫要因を“見える化”して改善し、収益率の上昇を図る。

 業界全体を展望して、赤津氏は「従来はモーダルシフトの目的がCO2排出量の抑制だったが、今は、トラック不足やドライバーの労務管理の厳格化など、鉄道を利用する理由が明確になっている」と指摘する。同社では、丸和運輸機関グループの他事業会社とも連携しながら、グループが得意とするスーパーマーケットなどの流通業に対しても、定温管理を含めた鉄道輸送サービスを提案していきたい考えだ。

 (2017年3月30日号)

 

 

富士物流ホームページへ
会社概要 個人情報保護方針 サイトポリシー サイトマップ 採用情報