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ヤマト総量抑制「輸送にも“売り切れ”ある」=運輸労連・難波委員長

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ヤマト総量抑制「輸送にも“売り切れ”ある」=運輸労連・難波委員長

 全日本運輸産業労働組合連合会(運輸労連)の難波淳介委員長は2月24日に記者会見し、政府の働き方改革で残業時間の上限を年間720時間・月平均60時間とする原案が出されていることについて、「トラック運輸産業がこの改革に乗り遅れてはいけない。(業務実態から)他産業と同時期に規制に入ることは難しいかも知れないが、一定の猶予期間を設けながらも、長時間労働を是正していかなければならない。ただでさえ人が集まらない中で、トラックが例外業種として外された場合のインパクトの方が大きい。(例外となれば)過労死は仕方がない業種なのだと思われかねない」と述べ、トラックが例外業種的な取扱いを受けることに異論を唱えた。

 また、ヤマト運輸労使が宅急便の総量抑制を検討しているとの報道について、「ヤマト労使だけの問題ではなく、社会インフラとしての物流をどう考えるのかというテーマを含んでいる。これを起点として、社会全体で議論すべき時期に来ている」との見解を示した。
 難波委員長の発言要旨は次の通り。

  〔春闘について〕 経営側は燃油価格の高騰を指摘しているが、反面、自賠責保険料が4月から9年ぶりに引き下げられるなどのプラス要因もある。企業はものごとを短期的なレンジで判断せず、不確実な時代だからこそ、時間や空間から価値を生み出す猝詰僂陵儉瓩箸いΠ媼韻睇要。また、人への投資でイノベーションを生み出す考え方を持ってもらいたい。企業側は一喜一憂せず、トランプ大統領を言い訳にしないようにして欲しい。

 〔働き方改革について〕 2月14日に開かれた政府の働き方改革実現会議で、時間外労働の上限案が示された。これまで実態として青天井となっていた時間外労働に、年間720時間、月平均60時間という縛りがついたことになる。ただ、トラックをはじめとする自動車運転業務については、適用除外となってきたこれまでの経緯もあり、「実態を踏まえて対応のあり方を検討する」とされた。しかし、トラック運輸産業がこの改革に乗り遅れてはいけない。連合会長も例外的な取扱いはしないと発言している。陸上貨物運送業は過労死ワースト1位の業種であり、就労希望者も減っている。他産業と同時期に規制に入ることは難しいかもしれないが、猶予期間を定めながらも、長時間労働を是正していかなければ、まさしく絶滅危惧職種になってしまう。

 確かに、改善基準告示すら守れていない現状で、(いきなり上限が決められれば)業として回らないことは事実なので、猶予期間を設けながら、取引条件の見直しや運賃問題も絡めながら取り組む必要がある。しかし、労働基準法70年の中で最大の改革であるこのタイミングにおいて、トラック運転手が対象外に置かれていいのか。対象を外れた場合のインパクトのほうが大きい。トラックは過労死しても仕方がない業種だと思われかねない。業種によってタイムラグがあることはやむを得ないが、同じスタートラインに立たなければならないと思う。

  〔ヤマトの総量抑制について〕 ヤマトに限らず、トラック事業者の多くは無理だ、もう運べないと言いながら、お願いされると運び切ってしまっていた。その結果、“売り切れがない”と思われてきた。しかし、再配達問題や働き方改革が議論される中で、労働力には限界があり、ソールド・アウトもあるのだということを伝えるタイミングとしてはいいと思う。

 今回の件は、単にヤマト労使の問題だけではなく、社会インフラである物流をどう改善していくかというテーマを含んでいる。確かに、日本の宅配システムは実質3社が支えており、最大手のヤマトが運べなくなれば、物流は滞ってしまう。しかし、ヤマトだけに「なんで運べないのか」と責めるのは違う。今回の問題を起点として、物流事業者だけでなく、社会全体で日本の物流がどうあるべきかを議論していくべき時期にきていると思う。

 ▼運輸労連がDVD制作

 運輸労連(難波淳介委員長)はこのほど、新作DVD『トラックドライバーの証言 ―このままでは物流が止まってしまう―』を制作した。
 神奈川、佐賀、奈良の3ヵ所のトラックステーションで、現役ドライバーにインタビューしたもので、長時間労働の実態や原因、人手不足や低運賃の据え置かれた現状などについて、ドライバーの“生の声”を集めたもの。
 運輸労連では今後、このDVDを国会議員や行政などにも視聴してもらい、トラック運輸産業が置かれた厳しい実態についての理解を深めたいとしている。

 (2017年3月2日号)

 

 

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