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通販荷物の拡大、現場の負担大きく…=ヤマト労組中央討論集会

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通販荷物の拡大、現場の負担大きく…=ヤマト労組中央討論集会

 ヤマト運輸(本社・東京都中央区、長尾裕社長)の宅急便取扱個数が拡大を続けている。昨年12月の宅急便取扱実績は対前年同月比5・6%増の2億3404万4761個で、単月実績としての過去最高を更新した。この数字は5年前の11年12月の実績(1億9361万8979個)に比べると、20・8%増加したことになる。その背景には、宅急便荷物の2割を占めるAmazonを初めとした通販商品の拡大があるが、結果として不在・再配達件数が増加。宅急便の現場でも労働力確保が困難になる中、1月24日に行われたヤマト運輸労働組合(森下明利委員長)の中央討論集会では、各職場から切実な“声”が寄せられた。

 ●業務過多で休憩時間が未取得に…人材も思うように集まらない…

 討論会で目立ったのが、配達時間帯指定と再配達業務に関する意見だ。休憩時間の未取得解消に昼間時間帯の指定を撤廃する案や、再配達依頼の締切り時間を繰り上げる案などが寄せられたほか、同日内に何度も再配達依頼があり、その度に訪問しても配達先が不在であるケースなども紹介された。

 人手不足も深刻化しており、人材が集まりやすい地域で雇用して不足地域へ異動してもらう施策が提案されるとともに、労働力不足に対する管理者のペナルティ撤廃や新管理制度の設置なども要求された。さらに抜本的な改革案として、外食・小売業界が24時間営業を廃止する潮流などを参考に、大みそかの集荷休止と正月の集配休止を訴える声もあった。
 人材の確保が困難化する中で戦力となっているのが、ヤマト・スタッフ・サプライによる軽貨物便事業「フレキシブルドライバー」だ。ある支店では現在86人が在籍しているが、こうした委託先事業者の収入を魅力に感じるセールスドライバー(SD)も出てきており、全体の賃金引上げへの要求もあった。「クロネコDM便」を配達するクロネコメイトの人手不足も報告された。

 ●2年目を迎えた宅急便新サービス、現場への影響は?

 15年に発売した「クロネコDM便」と「ネコポス」では今なお、顧客によるサービス内容の混同が見られ、現場業務の煩雑化に繋がっているという。両商品はポスト投函型サービスであるにも関わらず、郵便受けに入らない場合は再配達荷物としても取り扱われている。また、正式な商品ラインナップではないが、一部地域で提供されている「当日便」についても、会社としての方向性の明示を求める声が挙がった。

 取扱個数の急激な伸長の裏で、現場への負担は増大化しており、討論会を締めくくった片山康夫書記長も「作業上の様々な意見がこれだけ出たのは、この一年間の通販荷物拡大に伴う、現場の苦労の裏返し」と評した。

 ヤマト運輸側としても職場環境の改善を最重要視し、早々に方針を打ち出すとともに、働き方改革を担当する部署の新設なども検討しているもよう。より使いやすい新配送車両の開発にも着手するほか、配達時間帯指定について「20〜21時帯の廃止と19〜21時帯の新設を含めて検討するとの回答を会社側から得ている」(ヤマト労組)という。

 宅急便では、大口通販顧客の出荷増と「宅急便コンパクト」「ネコポス」など低価格帯サービスの個数増に伴い、その単価も対前年比21・1円ダウンの559・5円へと下落している。組合員からは「我々はいつから大手通販会社の下請けとなったのか」との厳しい指摘も飛ぶ中、労使一体となった改革が正念場を迎えている。

 (2017年2月2日号)

 

 

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