カーゴニュース 1969年創業物流情報の専門誌
お問合せ トップページ
カーゴニュース定期購読のご案内
カーゴニュース 書籍のご案内 映像事業 リンク集

pickup3

レポート 物流施設が「働く人」へのフォーカスで差別化

バックナンバー   コラム   インタビュー
 
*


レポート 物流施設が「働く人」へのフォーカスで差別化

 物流施設マーケットで「働く人」にフォーカスし、差別化を図る動きが顕著になってきた。開発規模が大型化し、首都圏、近畿圏、中部圏では開発エリアも集中。人手不足により施設内で働くパート・アルバイトの確保が難しくなっている中で、アメニティの充実や託児所の開設などハード・ソフトの両面でテナント企業の労働力確保を支援する取り組みが増えている。

 ●構造や設備より「労働力の確保」を重視

 ネット通販などの活況を背景に、物流施設には保管・輸配送のみならず、商品のアセンブリ、詰め合わせ、ラベル貼り、検品といった流通加工の拠点としての機能が求められ、労働集約型が加速している。CBREによる2015年のアンケートによると、物流施設の新設計画において物流会社が重視するのは「施設の構造や設備」よりも「労働力の確保」だった。
 物流施設の開発エリアでは湾岸部に用地が少ないことから、高速道路網の発達により交通利便性の高まった内陸部への集積が進んでいる。「交通の便がいい」「住宅地が近い」「若年層の住民が多い」など労働力確保が比較的容易なエリアに開発も集中することから、パート・アルバイトの取り合いになる可能性もあり、テナント企業の雇用に着目した施設設計・運営が広まりつつある。

 ●託児所、ショップ、ラウンジなどを装備

 「働く人」へのフォーカスを明確にうたった最初の物件が「グッドマンビジネスパーク千葉イースト」。労働人口が増加している千葉ニュータウンは、各デベロッパーや物流企業が注目するエリアだが、「従業員の快適な就業環境の実現」を掲げデザイン性を重視。レストラン、カフェ、店舗、託児所などのアメニティ施設を計画し、人材確保に有利な点が評価され、16年4月の竣工後6週間でほぼリースアップが完了した。

 グッドマンの“成功事例”を踏まえ、各デベロッパーは施設の就業環境重視に大きくシフト。16年11月竣工の「レッドウッド南港ディストリビューションセンター1」(大阪市住之江区)、17年3月竣工予定の「レッドウッド藤井寺ディストリビューションセンター」では、「HUMAN CENTRIC DESIGN.」(人にフォーカスした設計)を開発コンセプトとし、託児所、ショップ、ラウンジを装備する。

 ●人材募集支援や既存施設のリニューアルも

 千葉県流山市の「GLP流山機廖18年2月竣工)および「GLP流山供廖18年5月竣工予定)では、入居する企業が共通して利用できる「共同荷受システム」をマルチテナント型物流施設として初めて導入。入居企業の受付業務を軽減すると同時にトラックドライバーの負担を減らし、倉庫、トラック双方の人手不足解消に貢献する。なお、グローバル・ロジスティック・プロパティーズ(GLP)では、人材募集のインテリジェンスと提携。テナント企業は求人募集広告に特別価格で出稿するメリットを享受できる。

 05年9月に竣工した東京都大田区の「プロロジスパーク大田」でも、このほどリニューアル工事に着手した。庫内作業従事者やトラックドライバーなど、施設で働く人のためにより快適な就業環境を提供することが狙い。共用棟「O! café (オーカフェ)」の新設や、外壁、エントランス、洗面所のリニューアルなどを行い、女性用の洗面所には、広いパウダースペースを設けるなど、女性の声を取り入れ使いやすい設計とした。

 16年は全国ベースで過去最高の300万平方m超の物流施設が供給され、17年、18年以降も続々と竣工も控えている状況で、倉庫作業員、トラックドライバーが集まる施設の工夫が一層求められそうだ。

 (2017年1月26日号)

 

 

富士物流ホームページへ
会社概要 個人情報保護方針 サイトポリシー サイトマップ 採用情報