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三井物産の2物流子会社が統合、売上規模544億円に

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三井物産の2物流子会社が統合、売上規模544億円に

 三井物産グループで消費財などの国内3PL事業を得意とする物流事業会社のトライネット・ロジスティクス(本社・東京都中央区、川久保篤社長)とフォワーディング業務を展開するトライネット(本社・東京都千代田区、竹森一哉社長)は4月1日付けで統合し、「三井物産グローバルロジスティクス(MGL)」として発足する。両社の機能を補完し合うことで、既存および新規荷主に対して、国内外に渡る複合一貫物流サービスを提供することが狙い。新会社の統合初年度売上高(2018年3月期)は544億円を見込み、同期からスタートする中期3ヵ年経営計画では売上高635億円を目指す。

 ●「三井物産」を冠したグループ中核会社としての位置づけを明確化

 MGLはトライネット・ロジスティクスを存続会社とした無対価合併でトライネットを統合し発足する。新会社の社長は未定で、資本金は10億円、新本社は4月1日付けで東京都港区に置く。施設や事業所、従業員などは両社の体制をそのまま引き継ぎ、総所管倉庫面積は約73万平方m、事業拠点数は19事業所、従業員数はパート・契約社員を含めて2400人となる。18年3月期の売上高に占める両社の割合は、トライネット・ロジスティクスが約6割、トライネットが3割の見通し。

 新社名には「三井物産」を冠し、三井物産グループの物流中核会社としての位置づけを明確化するとともに、商社の総合力を駆使した高品質かつ高付加価値機能を提供する方針。保険や決済代行、リース、物流施設開発といった三井物産グループの機能を「物流+α」として提供していく。新会社の組織体制は管理部門2、営業部門5の計7部門を予定。その上で、三井物産が導入する「クライアントオフィサー」制も取り入れ、主要取引先に対して担当役員を設置し、ニーズを深堀しながら新会社が持つことになる複合的な物流機能を多角的に提案していく。  

 ●まずは消費財・アパレル向けの3PLサービスをアジアへ水平展開

 統合初年度となる18年3月期からは中期計画をスタートし、「IT」「施設」「海外」の3事業戦略を柱に成長への基盤整備を進める。とくに、トライネット・ロジスティクスが得意とするアパレル・消費財荷主のアジア展開を支援する体制を整えながら、トライネットの主要顧客である鉄鋼メーカーなどに対しても保管や流通加工といった付加価値サービスを提案していく。

 IT戦略においては、海外拠点でも活用できるMGLの「グローバル標準WMS」を開発し、日本で展開する3PLサービスの水平展開を図る。同時に、倉庫内作業の自動化やロボット化にも注目し、BtoC分野の3PLを中心に、倉庫の省人化と「今日来た人がすぐに働ける」ダイバーシティ化を進める。20ヵ所以上の物流拠点の庫内作業を1箇所で管理する「集中コントロールセンター」機能も16年度内には完成させ、中期計画内での実装をめざす。

 施設戦略も「事業拡大に欠かせない要素」として物流センターの新設や見直しを進め、計画内に総所管倉庫面積を82万平方mへ拡張する。

 海外戦略では、三井物産の100%出資会社として設立した中国、タイ、シンガポール、インドネシアの現地物流法人の全株式を17年度内にMGLへ移動させる計画。これにより、MGLとの人事交流を含めた連携を強化するとともに、事業会社の一員として経営の自立化を図る。さらに、17年度には台湾でも独資による物流会社を設立する予定にあり、現在外部倉庫で受託している業務の内製化などを進める。また、三井物産が合弁で設立したベトナムとドバイの現地法人、さらにはトライネットの海外パートナー会社110社とも連携し、グローバルサプライチェーンを構築する。

 ●2社の経営基盤を強化し、「攻めの体制が整った」

 トライネット・ロジスティクスはアパレル・通販を初めとする国内消費財物流の3PL事業などで拡大し、17年3月期の売上高は347億円を見込む。トライネットは三井物産グループの貨物量を活かした競争力ある運賃を強みに国際複合一貫輸送サービスを提供する。鉄鋼をはじめ、発電所やプラント、鉄道車両などの大規模プロジェクト輸送や自動車部品製造設備や機会輸送を多く手がけ、同期の売上見込みは196億円となっている。

 総合商社系物流会社では物流子会社の再編が進んでおり、伊藤忠ロジスティクスは01年4月に伊藤忠グループ物流会社3社が合併して発足し(当時の社名はアイ・ロジスティクス)、三菱商事ロジスティクスも06年4月に三菱商事グループ物流会社2社が統合して誕生した。

 三井物産グループでも、07年4月に三井物産の物流子会社3社(日東ロジスティクス、京義倉庫、東神倉庫)が経営統合してトライネット・ロジスティクスを発足するとともに、12年には三井物産ロジスティクスマネジメントを同社へ合併。各PMIを慎重に進めた上で、トライネット・ロジスティクスおよびトライネット内の経営効率化と不採算事業の整理にメドがついたことで、「今回の統合を迎え、攻めの体制が整った」(トライネット竹森社長)という。

 新体制後のさらなるM&Aの可能性について、トライネット・ロジスティクスの川久保社長は「不足機能の補完と今ある強みをさらに強化するための手段として提携先およびM&Aの視野を広げ、検討していきたい」と意欲を示す。一例として、トライネットの主要顧客層である鉄鋼や自動車部品関連の3PL機能のほか、センター事業の施設拡大や人材確保などでも機能強化の必要性を示唆する。

 (2017年1月19日号)

 

 

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