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【物流センター】21年度の保管面積、400万㎡以上に=センコーグループHD

2017.11.16

物流センターの拡充を“物流事業成長のカギ”と位置付けるセンコーグループホールディングス(本社・東京都江東区、福田泰久社長)。中期経営計画(2017~21年度)では、物流センター保管面積を322万㎡(16年度末)から400万㎡へ拡大する計画だが、「現在の進捗だと、(最終年度には)それ以上の規模になるだろう」と佐々木信郎・取締役常務執行役員は話す。

人材確保を最優先に立地を選別

センコーGHDでは食品やアパレルを含めた「流通ロジスティクス」と、「住宅物流」「ケミカル物流」の3分野を中心に物流事業を拡大。1970年代より業界先駆的に、システム設計やコンサルティングを含む複合的な物流提案を開始し、多様なセンター業務の実績を持つとともに、生産性改善や品質向上を実現させる“現場力”を備えることが最大の強みだ。

同社物流事業の核となるのが、「PDセンター」。Physical Distributionセンターの略で、単純な倉庫保管のみならず輸配送や流通加工、アパレル通販における「ささげ(撮影・採寸・原稿)」など複数の物流支援サービスを提供できる施設を指す。こうした高機能型物流センターで、荷主物流業務を包括的にサポートする。

開発計画は基本的に案件ありきで考える。物流センターの開設時に最も重視するのは“立地”であり、最適なエリアに「土地があるか」「外部倉庫があるか」に応じて「自社建設」「賃借」「物流不動産会社のBTS型施設」から開発方法が決まる。もちろん、稼働までのリードタイムも判断要素のひとつだ。
施設は物流ニーズに最適な仕様で設計する。主要3分野でも倉庫の形態は異なるが、これらが同一物流センター内に入居するケースもあることが特徴。たとえば、「加須PDセンター」(埼玉県加須市)は流通ロジスティクスとケミカル物流、「杉戸PDセンター」(埼玉県杉戸町)は流通ロジスティクスと住宅物流が運用されている。

今後の施設展開は、消費財を扱う事業特性から、人口密集地である東名大福エリアが中心となる見込みだが、「その先の戦略はこれまでと異なる」と佐々木氏は話す。従来は輸配送のアクセスを重視してインターチェンジから近い場所を選んでいたが、最近は周辺に住宅地等があるか――といった人材雇用面での立地を重要視している。

施設側でも、託児所の設置からパートなどの業務シフトの柔軟化までハード・ソフト面を合わせた“働きやすい環境作り”に尽力。機械化・省力化にも取り組み、習熟度の浅い従業員でも高効率・高精度で作業ができるよう、音声ピッキングシステム等を導入している。また、無人フォークリフトや積み付け用アームロボットなども一部導入している。

最大規模の物流センターが加須で稼働

直近の施設計画で目玉となるのが、18年8月稼働予定の「加須PDセンター2期棟」(埼玉県加須市、敷地面積10万4900㎡、延床面積5万2000㎡)だ。同敷地内には16年11月に1期棟(延床面積4万8200㎡)を開設済みで、合計で10万㎡を超えグループ最大級の規模となる。施設の約半分はグループ低温物流会社ランテックが冷凍・冷蔵倉庫として活用し、同社とセンコーが共用する初めての新設拠点となる。

3温度帯物流センターにも積極的に投資する。ランテックではこれまで強い引き合いを受けながらも倉庫が足りないため成長にはつなげられなかったが、センコーグループの一員となった今、旺盛な国内需要に応えるとともに海外での3温度帯物流にもチャレンジして収益を拡大させている。
18年3月にはランテック広島支店(広島県広島市)近接地に広島第2センター(同市、延床面積9900㎡)を新設するほか、4月には福岡支店(福岡県久山町、倉庫面積2万600㎡)も延床面積3万2600㎡へ増築。同月には大阪市に延床面積2万400㎡の3温度帯物流センターを建設する計画だ。

アジアでも物流センター新設を加速

海外の物流施設も拡大する。今年10月は韓国・釜山新港2拠点目となる物流拠点「NH‐SENKO物流センター」(延床面積2万3400㎡)を稼働し、スポーツ用品や日用雑貨を扱う日系・現地系企業が釜山港をハブに第3国へ輸出するビジネスモデルを展開。建物は危険品に対応するほか将来的には冷蔵冷凍倉庫の利用ができる仕様とした。

さらに12月にはベトナム・ドンナイでも敷地面積3万5000㎡、延床面積1万9859㎡、平屋建ての常温物流センターが竣工。近隣の工業団地で生産された商品を一時保管してベトナム国内へ配送するのに適した立地で、日系家電メーカーなどを中心に顧客が決まっているという。

海外での3温度帯施設の開設も進み、中国では19年以降、北京と上海で相次いで新拠点が稼働する見通し。中外運空運発展股份(シノトランスエア)との協業によるもので、同国では24年度までに中国主要8都市の3温度帯物流センターを立ち上げる計画。また、15年9月に稼働したタイ・レムチャバンの常温物流センター(延床面積2万1003㎡)にも冷蔵冷凍設備を増設させる計画だ。

アジアにおいては今年4月にグループ化したシンガポールの航空フォワーダーSky Lift社による事業展開や、インド、インドネシアといった未進出国への参入も視野に入れている。
(2017年11月16日号)


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