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トラックの監督指導、労基法違反は8割=厚労省

2019.08.22

厚生労働省が8日に公表した、自動車運転者を使用する事業場に対する2018年の監督指導、送検等の状況によると、監督実施事業場のうちトラックは全体の8割弱を占め、うち労働基準関係法令違反が8割超、改善基準告示違反が7割弱だった。ここ3年間でいずれも増加傾向にあり、2024年4月から自動車運転者に対する時間外労働の上限規制が適用されるが、現状では対応が進んでいない実態がうかがえる。

5割が最大拘束時間に違反

全国の労働局や労働基準監督署が、18年にトラック、バス、タクシーなどの自動車運転者を使用する事業場に対して行った監督指導や送検等の状況をまとめたもの。監督実施事業場は6531事業場で、内訳はトラック5109事業場、バス350事業場、ハイヤー・タクシー462事業場、その他610事業場だった。トラックは全体の約78%相当する。

トラックの監督実施事業場のうち、労基関係法令に違反があったのは4271事業場(構成比83・6%)。主な違反事項は労働時間が3013事業場(59・0%)、割増賃金が1071事業場(21・0%)、休日が244事業場(4・8%)だった。

改善基準告示に違反していたのは、3419事業場(66・9%)。主な違反事項は最大拘束時間が2615事業場(51・2%)、総拘束時間が2217事業場(43・4%)、休息時間が1912事業場(37・4%)、連続運転時間が1518事業場(29・7%)、最大運転時間が973事業場(19・0%)だった。

厚労省では、「引き続き労働基準関係法令違反の疑いがある事業場に対しては監督指導を実施するなど自動車運転者の適正な労働条件の確保に取り組み、度重なる指導にもかかわらず法令違反を是正しないなど重大・悪質な事案に対しては、送検を行うなど厳正に対応する」としている。
なお、18年のトラックの送検は42件で16年の54件、17年の50件から減少しているものの、全体の7割を占めていた。
(2019年8月22日号)


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