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通販利用者、送料への「不満」増加=JADMA全国通販利用実態調査

2019.07.16

日本通信販売協会(JADMA、阿部嘉文会長)が6月に公表した「全国通信販売利用実態調査(2018年度)」において、通信販売の「配送料への満足度」は昨年および一昨年調査の49・2%から47・8%へとダウンした。通信販売の短所として「配送料がかかる」ことを挙げた通販利用者の割合も、一昨年の49・1%、昨年の50・5%からさらに増えた57・4%へと上昇。自由回答にも「配送料が高くなった」などの声が並んだ。

より詳細の傾向を見ると、「配送料がかかる」ことを通販の短所として挙げたのは昨年に続き、男性(54・0%)よりも女性(60・2%)の方が多く、ともに昨年調査を上回った。短所として挙げた人の割合が高かった層は、上位から女性30代(66・7%)、女性40代(64・9%)、女性29歳以下(64・8%)。他方で「商品の到着に時間がかかる」ことを短所に挙げた利用者は男性(17・4%)と女性(15・6%)の間に大きな差はなかったものの、上位には男性30代(32・4%)、男性29歳以下(29・5%)、女性(22・9%)が並び、異なる特徴が表れた。

商品本体の「価格が高い」ことへの不満が全体の7・0%に留まることに加え、自由意見からも「低価格の物は送料がかかると割高になる」「品物に対し送料が高すぎる」「送料が高いと購買意欲が減る」などの声が見受けられたことから、商品本体と送料との関係に敏感であることが推測される。一方で、「受取を急がないものは送料を割り引いてほしい」「受注の際に『急ぎでない便』というのを選択できたら…と思う」といった要望も複数あった。

今回、通販の短所として新たに「受取が大変・再配達になってしまう」との項目を設けたところ、全体の23・0%が短所であると回答。配達時間を指定できない業者があることや、指定できても不在になることがあり、再配達になってしまうことを指摘する意見が多く見られた。「商品の到着に時間がかかる」は同項目よりやや低い16・4%であることから、せっかく配送業者の努力で早く配達されても、受取段階で問題が発生している実状も伺えた。解決に向けては、コンビニエンスストアや配送業者の事務所、専用ロッカーでの受け取りやポストへの投函などへの期待も多く寄せられた。

同調査は、全国の15~79歳の男女2800人を対象とした独自調査(19年1月22日~2月8日)と同、男女1200人を対象としたオムニバス調査(同1月31日~2月12日)で実施された。
(2019年7月16日号)


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