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JR貨物、3月のコンテナは5・5%減に

2019.04.23

JR貨物(本社・東京都渋谷区、真貝康一社長)の3月の輸送実績は、コンテナが前年同月比5・5%減の200万5000t、車扱が6・9%減の77万6000tとなり、合計で5・9%減の278万1000tとなった。

コンテナでは、関東地区でのリニア新幹線建設に伴う建設発生土の輸送が好調に推移したことから、エコ関連物資が増送になった以外は全品目で前年実績を下回った。とくに九州発着で一部顧客の物流体系の見直しが進み、積合せ貨物、自動車部品などが減送となった。また、例年、3月に繁忙期を迎える引越し荷物についても、働き方改革による分散化などが進んだことで減送となった。

一方、車扱は暖冬・少雪により灯油が中心に需要が低調に推移したことから減送となった。

17日に会見した真貝社長(写真左)は、「引越し荷物の分散化が端的な例だが、この3月については全般的に例年の盛り上がりが見られなかった。働き方改革などに伴い、出荷を平準化する動きが進んでいる」と分析。また、九州発着を中心に顧客の物流体系の見直しが進んでいることについて「昨年の山陽線で100日間にわたり不通が続いたことを契機に、BCPの観点から鉄道の利用比率を下げる動きが一部である」と分析した上で、「その一方で、新規のお客様が新たに鉄道を使いたいというニーズもある。3月の九州発着のコンテナ輸送量が前年比1割減となったのに対し、4月に入ってからは5%減程度まで回復している」と述べた。同席した和氣総一朗営業統括部長(写真右)は「海上輸送と鉄道輸送では使い方にも違いがあり、今後は棲み分けが進んでいく。リードタイムなど鉄道の優位性をアピールしていく」と営業方針について語った。

なお、4月の輸送実績は、16日までの速報値でコンテナが1・0%減、車扱が12・7%増、合計2・4%増で推移している。

18年度の輸送実績はコンテナ9・6%減に

2018年度の輸送実績(速報)は、コンテナが前年度比9・6%減の2027万3000t、車扱が2・8%減の895万t、合計で7・6%減の2922万3000tとなった。

上期に西日本豪雨や大阪府北部地震、胆振東部地震など自然災害が多発したことから、全品目で前年実績を下回った。また、農産品・青果物も北海道を中心に天候不順による生育不良の影響を受け、減送となった。
(2019年4月23日号)


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